海苔のちから
海苔には人に大切な栄養がいっぱい
海苔に含まれる栄養素はさまざまですが、主な成分をご紹介させていただきます。
・ビタミンA(皮膚や髪の健康を保つ)
ビタミンAには、頭皮や髪質などを保持する力や、視力の低下を防ぐ効果も期待できます。海苔2枚分に含まれるビタミンAは、ほうれん草46gに相当する量で、成長期のお子さんが1日に必要とする分量といわれています。ビタミンAは脂溶性なので、油脂と一緒にとることで吸収が高まります。
・ビタミンC(美肌作りをサポートする)
ビタミンCは体の酸化を防ぎ、コラーゲンの合成を助ける力を持つため美肌の効果が期待できます。一般的にビタミンCは熱に弱く加熱すると成分が破壊されてしまいますが、海苔に含まれるビタミンCは熱に強いのが特徴で、どのような調理法で食べても栄養素を壊さずに摂取することができます。
・鉄分(貧血予防に)
女性に多い貧血のほとんどは鉄分の不足による「鉄欠乏性貧血」です。海苔には鉄分も多く含まれており、約5枚分で牛レバー1切れ分に相当します。
・カルシウム(イライラしやすい方に)
骨や歯を丈夫にしてくれるだけではなく、神経や血液などにも働くといわれ、ストレス解消にも役立つのがカルシウムです。海苔2枚で牛乳約15cc分のカルシウムが摂取できます。
豆知識
体に良い食物繊維がいっぱい!
食物繊維は野菜に多く含まれていますが、海苔にも体にいい食物繊維がたくさん含まれています。海苔の食物繊維は野菜のものと違って柔軟なのが特徴で、胃壁や腸壁を傷つけることなく穏やかな整腸作用を行ってくれます。海苔を食べることで効率よく食物繊維をとることができます。
質も量も優れているタンパク質
海苔はタンパク質が多いことが知られていますが、この量はタンパク質が豊富な食材として真っ先に挙げられる大豆と肩を並べるほどです。また、海苔のタンパク質は質の面でもすぐれており、質の評価を示すプロテインスコアの数値や必須アミノ酸の含有量も高い値を表しております。量と質の両方の面から海苔は非常にすぐれた食品といえます。
海苔はビタミンの宝庫
海苔にはビタミンAに変わるβカロテンをはじめ、ビタミンB1、B2、C、ナイアシンなどが普通の野菜の10~100倍も含まれています。他にもビタミンB6、パントテン酸、葉酸、ビタミンE、さらに植物性の食品にはほとんど含まれないビタミンB12も多く含まれます。これらのビタミンは体内の代謝を正常にし、健康維持には欠かせない栄養素です。海苔に含まれるビタミンB1は豚肉の1.5倍、ビタミンB2は牛乳の22倍、さらにビタミンCは海苔100g中100~800mgも含まれ、レモンやトマトよりずっと多くなっており、まさに海苔はビタミンの宝庫といえるでしょう。
注目のβカロテン
海苔には多くのビタミンが含まれていますが、その中でも目を引くのがβカロテンの量です。βカロテンは体内に取り込まれるとビタミンAに変わる特質があります。つまり、海苔にビタミンAそのものは含まれていなくても、βカロテンが吸収されてビタミンAに変換されるのです。計算では成人男子が1日に必要とするビタミンA量の約4分の1が海苔1枚で補えることになります。
酒の友にも最適
お酒を飲むとアルコールが血液にのって全身を循環し、肝臓で分解作業を行います。
この分解作業ではタンパク質が消費されるため、お酒を飲む時はタンパク質を補う食べ物をとることが大切です。海苔にはタンパク質が豊富に含まれるため、お酒には最適の友といえます。
参考資料:チクマ秀版社発行「海苔の驚くべき効用/野田宏行・岩田静昌」